地元オハイオで運営していたファミリー・レーベルからリリースされたLPには若きロジャーの才気が溢れんばかりに封印されています。数々の楽器を操りながらすべての作曲とヴォーカルを担当する創造性、ダイナミックな演奏力、若さゆえの才能の稲妻のような輝きが、エレクトリックになる以前の生バンド・サウンドで押し寄せてくる名盤です。 トレードマークであるトーク・ボックスが重厚なファンクに絶妙なスパイスを与えるM1「Freedom」、突き上げるようなブギー・サウンドにゲットーの歓喜をのせたM2「Truth Be Known」、実弟レスターのファンキィ・ドラムをフィーチャーしたインストM3「Brother Lester」、壁のように黒いグルーヴが押し寄せるM4「Bearings Straight」とへヴィー・ファンク4連発で迫るA面(LPでは)。キャッチーなメロディとラテンの楽園感を持ったM5「Nature’s Song」、高揚感あふれる渚のメロウ・グルーヴM7「Been This Way Before」、ロジャーのジャズ・ギターが堪能できるスウィング曲M8「Take A Break」と続くB面(LPでは)はメロディアス・サイド。恍惚の素晴らしさ。この完成度はもはやザップを超えているのでは。全ブラック・ミュージック・ファン必聴。