亡くなった弟の描いた絵

弟がこの世を去る直前に描いた絵が残されており、以来、何とも言えない不気味な雰囲気が漂っています。恐れ多いことながら、一度目にしたら何かがこちらを見返しているような、そんな感覚さえ覚えるのです。正直なところ、長く手元に置いておくのはつらくなってまいりました。

「捨てるのは忍びないのですが、手元に置いておく勇気もございません」
何度か処分しようと試みましたが、どうしても手が止まってしまいます。不思議な話ですが、この絵を手放すことができないのです。絵の奥に弟の思いが封じ込められているかのようで、「捨ててしまうのはさすがに…」とどうしても踏ん切りがつきません。

「どなたか、この絵を受け取っていただける方を探しております」
もし、興味をお持ちで、この絵をお引き取りいただける方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけください。この絵には特別な力が宿っているようで、それに耐えられる覚悟がある方にお譲りしたく存じます。

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